みなさん、こんにちは!
セカンドライフ支援機構行政書士の坂本圭士郎です。
実は、現在、法曹審議会がある法律の改正につき要綱案を先月法務大臣に答申しました。
この要綱案の一番の柱は、「相続登記」や「氏名や住所等の変更登記」の義務化です。
政府は今国会での関連法案提出を目指しており、法案が成立すれば2023年度から施行される見通しとなっています。
今回は、今後現実となる相続登記の義務化についてお伝えします。
相続登記の義務化の背景とは?
義務化の背景として、以前私のメルマガでもお伝えさせていただきました所有者不明土地が急増しています。
所有者不明土地とは、不動産登記簿等に所有者が直ちに判明しない、又は判明しても所有者に連絡がつかない土地です。
その発生原因は、相続登記や変更登記が放置されていることにあります。全国で410万haと既に九州本島の面積を上回っています。このままいけば2040年には720万haに達して北海道本島の面積に匹敵すると試算されています。
その結果、国や自治体では「公共用地として買収ができない」、「災害対策工事が進められない」と
いった問題が起こ、民間でも売買ができないため土地の有効活用ができないという状況が多発しています。
そこで、相続等による所有者不明土地の発生を予防するための仕組みや、所有者不明土地を円滑かつ適正に利用するための仕組みを整備する観点から、今回の要綱案が出されました。
相続登記をしないと受ける罰則とは?
相続登記の義務化にはもちろん、罰則がともなっています。
なぜなら罰則がなければ、今のままと変わらないからです。
それでは、どのような罰則があるのでしょうか?
①相続登記の義務化と罰則の制定
相続人が相続・遺贈で不動産取得を知ってから3年以内に登記申請をしなければなりません。
違反者は10万円以下の過料の対象とします。相続開始から3年以内に遺産分割協議がまとまらずに相続登記ができない場合は、
法定相続分による相続登記をするか、自分が相続人であることを期間内に申請すれば過料は免れます。
一旦、法定相続分による相続登記や相続人申告登記をした後に分割協議がまとまって自らが不動産取得した場合は、
それから3年以内に登記しなければ過料となります。
②氏名又は名称及び住所の変更登記の義務化と罰則の制定
所有者である個人や法人の氏名又は名称及び住所の変更があった場合は、その日から2年以内の変更登記申請を義務化します。違反者は5万円以下の過料対象です。
最後に、現時点で相続登記や変更登記が未了となっている不動産が即登記義務化の対象となるわけではありませんが、遅かれ早かれ改正法施行後に相続や住所等の変更が生じればその対象となります。また、登記が何世代にも渡って登記が放置されている場合、
現在の相続人に登記するまでに相当な時間と労力を要することになります。加えて、相続人が高齢者の場合、認知症等で判断能力に問題が生じている者がいれば後見制度の活用も必要となり、こちらもかなり大変な手間や時間がかかります。
そのため、相続登記を放置している方は、早めに対応をすることをお勧めします。
次回も是非お楽しみに。
行政書士 坂本 圭士郎
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