こんにちは、相続診断士の利光洋伸です。
今回は来月からの制度改正について
お伝えします。
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銀行口座の凍結
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先日、こんな話を聞きました。
「お父さんが亡くなった後に葬儀費用を口座から
引き出そうとしたらすでにおろせなくなって
しまってたの…」
これはご存知の方が多いかもしれませんが、
先ほどのお話でいくとお父さんが
亡くなられたことが分かると、
銀行口座が凍結されて、
一切引き出しが出来なくなります。
それどころか凍結されてしまうと振込、
入金などの手続きも出来なくなってしまいます。
そうなってしまうと葬儀代などの出費に
すぐに対応できなくなり、遺族のどなたかが
立て替えなければなりません。
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生命保険で解決!
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そのような時、生命保険を活用すれば
解決できます。
生命保険の死亡保険金は受取人が書類を
準備するだけで
通常、1週間ぐらいで受け取ることが出来ます。
ということは、葬儀費用なども銀行に
預けておくと、支払いに間に
合わないかもしれませんが
生命保険金として受け取ると
確実に現金を準備することが出来ます。
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7月から預貯金の仮払制度新設
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しかし、来月から生命保険でなく預貯金でも
対応することが出来ます。
来月、2019年7月からは亡くなった方の
口座から一定の金額まで遺産分割協議が終わる前に
相続人が引き出せるようになります。
手続きは家庭裁判所で手続きする方法と
金融機関の窓口で手続きをする方法があるのですが
仮払が出来る金額は
相続開始時の預貯金の額 × 1/3 × 法定相続分であり、
上限額は金融機関ごとに150万円です。
例えば相続時の預貯金が1,200万円で相続人が
お子さん2人の場合は
1,200万円× 1/3 × 1/2 = 200万円(1金融機関上限額150万円)
となります。
実際は葬儀費用がこの金額では
賄えないかもしれませんが金融機関が
複数の場合はそれぞれに上限額が定められる
ことになります。
これにより、生命保険でなくても葬儀費用などの
相続発生後の急な出費にも対応できることに
なります。
しかし、この仮払制度には大きな落とし穴が
あります!!
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仮払制度の落とし穴
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この預貯金の仮払制度は相続人であれば
亡くなられた方の口座からお金を
引き出すことが出来ます。
その時に亡くなられた方は渡したい金額の
指定は出来ません…
さらに渡したい方も選ぶことが出来ません。
その時には!!
やはり生命保険が有効です。
生命保険だと受取人を指定することが出来、
金額もそれぞれに決めることが出来ます。
さらに、生命保険の非課税枠を
活用することにより、相続税の軽減も可能です。
今回の預貯金の仮払制度はとても有効ですが、
もし遺したい人や渡したい人がいる場合は
生命保険や遺言書の活用を考え、
想いを残すことが大事ですね。
今回は預貯金の仮払制度についてお伝えしましたが
他にも様々な制度の改正や新設があります。
それぞれにメリットデメリットがありますので
今後も引き続き、お伝えしていきたいと
思っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに!
相続診断士 利光洋伸
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